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エンジニアのための「カジュアル面談のトリセツ」に書かなかった「平均勤続年数」のこと

概要

私が執筆した書籍、エンジニアのための「カジュアル面談のトリセツ」で、会社を知る意味でホームページを閲覧することをススメていますが、口コミなどは参考程度にしてほしいと書いています。
そういう会社についての情報として、あまり参考にならないのが「平均勤続年数」です。

私が執筆した書籍『エンジニアのための「カジュアル面談のトリセツ」』についての記事はこちらです。
kawahara-ci.hatenablog.com

このことは書籍では一切触れていないのですが、ここ最近、話題になったので取り上げます。

話題になったのは、これですね。

「最短は電子書籍配信会社の1.3年」平均勤続年数ワースト300社ランキング2021
president.jp

参考にならない理由

下にあげる3つの理由があります。

  1. IT系の会社が若い
  2. 組織改編で勤続年数なんてリセットされる
  3. 勤続年数が長い人が正しいとは限らない

これらを簡単に説明します。

IT系の会社が若い

エンジニアが所属するIT系の会社なんて、20年足らずの会社がほとんどで、勤続年数長さなんてどんぐりの背比べにしかなっていないのです

指標として「会社設立2年、平均勤続年数2年」とか出すならば、百歩譲って指標になり得るかもしれませんが、この程度の情報では、その会社が良いかどうかなんて参考にならないというのが、私の考えです。

平均勤続年数が短い=会社設立が短いという代表例としてベンチャーがありますが、ベンチャーベンチャーなりのリスクなどがありますが、平均勤続年数とは別に考えるのが良いです。

組織改編で平均勤続年数なんてリセットされる

こちらについては、やり玉にあげられた株式会社メディアドゥが遺憾表明しております。

mediado.jp

私も同意見で、組織改編や会社の吸収合併で平均勤続年数なんかは簡単にリセットされます。
また、事業拡大で積極的に採用を行うなどすると平均勤続年数は下がっていきます。
事業拡大する会社は、会社が成長している段階で、その瞬間に入ることは多くのメリットがあります。
何が評価されて事業拡大しているのか?そういう点を「カジュアル面談」で聞けるのも、「カジュアル面談」ならではの醍醐味なので積極的に聞いてみるのも良いです。

「カジュアル面談」というのは、会社を色々な側面を見ることができるチャンスなので、平均勤続年数のモノサシで測るのは、その会社を一部しか見てないことになるので、物凄くもったいないです

蛇足ですが、組織改編については、色々なやり方や会社の考えがあるので、どれが正解とは言えませんが、同時期に組織改編を行った楽天株式会社(現、楽天グループ株式会社)は社名を変更しているだけなので、平均勤続年数はリセットされていまん。(ちなみに平均勤続年数は4.6年です)

corp.rakuten.co.jp

会社の組織改編という要因や、事業拡大による採用強化で平均勤続年数は短くなったりするので参考にならないのです。

勤続年数が長い人が正しいとは限らない

勤続年数が長い人の言うことが正しいのでしょうか?
ベンチャーなどに多いのですが、ワンマン社長という言葉を聞いたことないですか?
経営者は勤続年数にはカウントされませんが、カウントするならば一番長い勤続年数ですよね?

私が調べた限りですが、ブラックな会社は、上司だけ平均勤続年数が長い傾向があります
平均勤続年数が長い人が「老害的な発言」をしたり、「理由を説明せずに決まったことだから」と言ったり、そんな傾向があったら、その組織はブラックな道を歩みだしています。
私の持論ですが、このような組織はパワハラが横行します。

この辺りも「カジュアル面談」をしてみると見えてきます。
「カジュアル面談」での老害的な発言の代表例としては「こんなこと知らないの?」です。
自分が老害的な年齢なので、この言葉には特に気を付けていますし、そもそも、自分の得意分野以外では、私だって「こんなこと知らん」です。
このような言葉を「カジュアル面談」で使ってしまうような人は、申し訳ないけどパワハラの一歩手前なので近寄らないのが正しいです。
「カジュアル面談」で、そんなことを言う人が居るの?と思われるかもしれませんが実際に3社ほど居たので、経験談として言っております。
パワハラの傾向がある人が勤続年数が長いとか限りませんが、パワハラが横行する組織でパワハラを行う側は居心地が良いので、勤続年数が長くなるのかもしれないと思っています。

まとめ

ワーストとミスリードするプレジデントオンライン、それが正しいかどうは読む人次第だと思うけど、転職をする際に使う指標としては参考にならないことを書きました。

会社を見る上で、まずは会社のことを書いてあるホームページ、そして「カジュアル面談」における「現場で働く人の生の声」、そういうところを見て聞いて疑問があれば「カジュアル面談」でどんどん質問すれば良いのです
だから、平均勤続年数なんて、本当に参考にならないのです。