エンジニア成長戦略とイノベーター理論
イノベーター理論とは
エンジニア成長戦略を語る前に、イノベーター理論を簡単に説明します。
エヴェリット・ロジャース氏が、「Diffusion of Innovation」という著書の中で提唱しました。
革新的な新商品を受容する消費者層をその受け入れる順番とされて、その早さの順番に名称が付いています。
- イノベーター(革新者)
- アーリーアダプター(初期採用者)
- アーリーマジョリティ(前期追随者)
- レイトマジョリティ(後期追随者)
- ラガート(遅滞者)
よく見かける図をGoogle Spreadsheetで描くとこんな感じです。(うまく描けない)
キャズム理論とは
そして、イノベーター理論に必ず出てくるのが、その商品が普及するかどうかの分岐点になる「キャズム理論」です。
キャズム理論では、イノベーターとアーリーアダプターが市場開拓者となり、キャズムを乗り越えることが市場を牽引する鍵となります。
エンジニア成長戦略に当てはめてみる
成長しようと思い立ったとき、自分のキャリアのために、採用しようとするテクノロジーが、どの分類に入るのか考えます。
雑に考えると、こんな感じです。
(具体的なフレームワークや言語名を出すと荒れるので、言葉を濁してます)
- 海とも山ともつかないテクノロジーはイノベーター
- 最新フレームワークと最新開発言語はアーリーアダプター
- 人気フレームワークと人気開発言語はアーリーマジョリティ
- 俗に言うレガシーと呼ばれる物はレイトマジョリティ
- メンテナンスすら行われていない物はラガード
ここで注意したいのは「人気」というキーワードです。
今年の「人気開発言語」とか、そういうのよく見かけると思いますし、実際に「人気開発言語」では開発している人が多く、仕事も多いで、「人気な市場」となっています。
その「人気」の区分を「イノベーター理論」に当てはめてみると、「アーリーマジョリティ」に属していると思います。
ここでキャズム理論を思い出してください、「アーリーマジョリティ」はキャズムの遅い側に属していることになり、そのあとに来るのは「レイトマジョリティ」です。
「アーリーマジョリティ」と「レイトマジョリティ」は市場の68%もあり、各区分は大体5年は維持されるので、2つの区分を合わせれば10年で、この「人気の世界」に属していれば10年生きていけます。
仮に25歳ぐらいから「アーリーマジョリティ」で仕事を始めたとして10年後は35歳になっていて、そのとき「レイトマジョリティ」に飽きている可能性が高く、そうなると自分のキャリアを考えていることが多く、ここに「エンジニア35歳限界説」が存在すると私は考えます。
エンジニア35歳限界説を乗り越えろ
エンジニア35歳限界説を感じたら、エンジニアマネージャーの世界に行く方が多く、開発から少し身を引く感じになりますが、そんな方でも、またエンジニアを続ける人も殻を破るためにも、キャズムを超えて「アーリーアダプター」に踏み込んでみましょう。
「アーリーアダプター」では「人気の世界」では無いので、ググっても情報は非常に少ないですし、開発は大変かもしれませんが、そういうのが好きな人には楽しいと感じると思います。
「エンジニア35歳限界説」を感じるとか、開発が楽しくないとか、ステップアップしたいと思ったとき、自分の居る位置が、どの区分に居るのかを確認して、「アーリーアダプター」に居ないとき、「アーリーアダプター」を考慮したエンジニア成長戦略を考えましょう。
疲れたら・・・
「アーリーアダプター」に疲れたら、「アーリーマジョリティ」に戻っても良いと思います。
一度、「アーリーアダプター」行けたなら、「アーリーアダプター」と「アーリーマジョリティ」の間にあるキャズムはキャズムじゃなくなります、気楽に渡れる橋がかかります。